旅とは、目的地へ向かうことだけではない。ときにそれは都市の輪郭を借りて、自分の記憶や痛み、回復の感覚をたどる行為でもある。
ルイ・ヴィトンの「トラベルブック」シリーズに、新たに「ベルリン」が加わった。手がけたのは、クロアチア人イラストレーター、ミロスラフ・セクリッチ=ストルーヤ。最新作では、ベルリンという都市を舞台に、記憶、痛み、癒やしの中で交差する2人の人物の旅が描かれる。

「トラベルブック」は、各国のアーティストが未知の土地に出会い、その印象を絵やコラージュ、漫画、ペインティングなど、それぞれの表現方法で記録するシリーズ。ガイドブックのように都市を説明するのではなく、アーティストのまなざしを通して、場所の感情をすくい上げる試みだ。
今回の「ベルリン」は、スタンダード・エディションとラージ・フォーマットのコレクターズ・エディションの2種で展開。仏語・英語・独語の3カ国語版で、116点のドローイングに加え、アーティストの経歴と旅行記を収録。さらに、サインとシリアルナンバー、リトグラフを伴う30部限定のリミテッド・エディションも用意される。

ラグジュアリーとは、必ずしも所有の過剰ではない。美しい本を手元に置き、知らない都市を誰かの線と色を通して眺める。観光名所ではなく記憶の層としてベルリンを読む、そうした時間の使い方そのものが、いまの時代にはひとつの贅沢に見える。
Information: Louis Vuitton
Images courtesy of LOUIS VUITTON


