映画『プラダを着た悪魔2』のプロモーションに合わせて、アン・ハサウェイのルックが複数のメゾンから相次いで伝えられている。ルイ・ヴィトン、ヴァレンティノ、ブルガリ。それぞれの公式発表を追うと、単なる衣装情報を超えて、ひとりの俳優が現在どのようなドレスコードを更新しているかが見えてくる。
ニューヨークでのワールドプレミアには、スカート部分に3Dプリーツをあしらったルイ・ヴィトンのレッドシルクのビスチェドレスで登場した。赤という色の強さを、同系色の足元でつなぐ潔さ。華やかでありながら過剰に甘くならないのは、引き算の明快さがあるからだ。

©LOUIS VUITTON
ロンドンの「A Night With Runway」ガラでは、同じくルイ・ヴィトンのグレーとブラックを基調にストライプとボーダーを組み合わせたシルクサテン製ドレスを選んだ。ボリュームのあるオーバースカートが目を引く。構築的でありながら重くならないのは絶妙なアンクル丈のなせる技だ。

©LOUIS VUITTON
東京・六本木での来日イベントでは、ヴァレンティノの2026年春夏オートクチュール「Specula Mundi(スペキュラ ムンディ)」から、胸元の赤がポイントのブラックのベアトップと、フリルのスカートのルックを着用した。足元はアレッサンドロ・ミケーレが再解釈したロックスタッズの新作。ロマンティシズムと現代性が同居するドレスに、スタッズの足元が小さな遊び心を加えている。

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一方、BBC Radio 2への出演では、ブルガリのセルペンティ ヴァイパーのサングラス、セルペンティ トゥボガスのウォッチ、セルペンティ ヴァイパーのリングを身につけた。装いは比較的シンプルでも、蛇をモチーフにしたジュエリーが装い全体に強い輪郭を与えている。服が静かであるほど、その光はむしろよく映える。

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アン・ハサウェイの現在の魅力は、若く見せることではなく、堂々と華やかでいることにある。公の場に立つための装いを、自分のものとして引き受けること。それが、いまの彼女のドレスコードなのだろう。今回のプロモーションルックは、大人の女性にとって、ドレスアップがなお知的で、自由な行為であることを思い出させる。
Top image: Photograph by Philip Oroni
Images courtesy of Louis Vuitton, Valentino and BVLGARI
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